花火の記憶
私にとって、子どものときの「花火が好き」と
大人になってからのそれは、少し種類が違う。
どんどん頭の上に迫ってくる花火。
「まだ来る!まだ来る!今、絶対花火の下に入った!」
子どものころは、勢いで圧倒してくる花火に飲まれることが楽しかった。
大人になった今は、花火を見上げていると自然と肩の力が抜けてくる。
花火にまつわるいくつかの風景が頭に浮かんでくる。
会場に持っていく枝豆を台所で茹でている父。端正こめて畑で育てたものだ。「上出来。おおごっつぉ(大ごちそう)」と湯気の中で何度もつまんでいる。
花火に格別な思い入れはなさそうな兄。でも、実家に帰るタイミングは正月<花火だ。
特別な光景ではない。でも「あぁいいなあ」としみじみ思わせてくれる。
花火フィルターがかかると、なぜか幸せな気分になる。
加藤煙火に入社したわけ
自分の心が動くかどうか。
大事な決め事をするときに、私の指針になっているもの。
新しい気づきや価値観が生まれて、自分の中にぶわっと風が吹く感覚が好き。
花火はそのチャンスをたくさん与えてくれると確信している。
タイトル『花火屋で、季節を追いかける』に込めた意味
私は花火のど素人だ。入社して半年が経ったけれど、毎日わからないことに出くわす。
でも、だからこそ伝えられる驚きや感動があると思う。
多くの人が、冬になるといったん忘れてしまう花火のこと、
「もちろん加藤煙火は夏以外も動いています!」
ということを伝えていきたい。
そして季節とともに成長していきたい、いやいくんだ
という私自身の決意のタイトルでもある。
Commenti