≪インタビュー / CASE STUDIES ≫
豊川市 桜町校区もりあげ隊 星川弾さん
愛知県豊川市桜町校区は、もともと花火の打ち揚げはありませんでしたが、様々な行事が催され、人と人との繋がりが強い地域でした。しかし、2020年はそれらの行事の中止がどんどん決まって行きます。そこで星川さんが思い出したのが、花火でした。
なぜ今回の花火を打ち揚げたのですか?
今回の花火のきっかけは、コロナで運動会も敬老会も球技大会も、町内のイベントが全部なくなってしまう中で、「花火だったらやれそうだし、面白そうだ!」と盛り上がったことでした。実は昔、隣町のお祭りで下から花火を見たことがあって、いつか自分の町でも花火を打ち揚げてみたいと思っていました。
消防団のOB会があって、「花火やりたい」と言ったら賛同を得られて、消防団関連の人を中心に実施することになりました。元消防団で火をつけちゃったわけですね(笑)
その後、地元の連区長や先輩なども賛同してくれました。今までにないことだけどやってみよう、という感じでした。自分の周りでは、反対する人はいなかったように思います。
準備で大変だったことや、工夫したことを教えてください。
主催者としてやったのは、周りの方に声を掛けたことと、お金を集めたことくらいでしょうか。自分はそんなに大したことをしてないと思っています。周りの人に協力してもらって実現できました。運営も初めてのことでしたが、みんなで話してイメージして分からないながらにも行いました。
募金箱なども、地元企業さんが喜んで置かせてくれました。寄付も強制ではなかったのが良いと思います。コロナで給料カットになった人もいるだろうし、人によって面白いと思うかも違うだろうし、状況に応じた組み立てが大切だと思っています。どんなことでも一定数はやりたい人がいるので、そういう人たちと今までになかったものをつくるのは面白いです。
花火は町の中心にある小学校を借りて、25分間打ち揚げました。町内向けのチラシ作って、場所も時間もしっかり告知して、「三密を避けるために自宅の近くの学校が見える場所から打ち揚げ花火をお楽しみください」というお願いをしました。花火当日は、町の人たちは学校には集まらず、家の近くの公園や、道路から観てくれました。二階の窓のカーテンが開いて、あちこちの窓から花火を見ている人がいたのが印象的でした。
花火を打ち揚げてみて、どうでしたか?
主催者である自分たちが過剰に反応しなくても、みんな状況を分かってくれて、気を付けてくれているように感じました。マスクして、自然に距離もとって。下の方の花火が建物の陰に隠れても「しょーがない」と言ってくれる人も多くいました。終わってみて、やはり町内の人が笑顔になってくれたのが嬉しかったです。周りの人がこの花火を評価して下さったことも。色々な人が喜んでくれて。花火って、観ていてあんなに癒されるものはないですからね。娘が友達から「お父さん花火師なの??」と言われたりもしました(笑)
いろんな人が「良かった良かった」と言ってくれたり、近所で花火のゴミが家に落ちて来たけど、「来年花火上げてくれたら許すよ(笑)」と言ってくれたりした人もました。
その後、小学校の感謝祭にも呼んでもらえました。(残念ながら緊急事態宣言で中止になって開催はされませんでした。)何もできなかった2020年に、迫力のある花火が観られて、子供たちも本当に喜んでくれていたことを実感しました。校長先生から伺った話ですが、子供が目をギラギラさせて、1週間くらい子供たちが花火の話していたようです(笑)
これからの町やお祭りについて、考えていることはありますか?
花火はゴールではなく、これをきっかけに、町の連携に繋がっていくと良いと思います。花火のない町内に花火大会を企画することで、少し時間は使ったけどやってよかった!と思えるように、面白いことを続けていきたいです。企画する人たちの負担が多く大変では続かないですからね。桜町校区もりあげ隊はそういう組織でありたいです。今後はメンバーも増やし個々の負担を減らし町の為になるような企画を増やし、みんなで町内をもりあげていきたいです。住んでる皆が知り合いのような古き良き町になると良いですね。
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